かなり個性的な石なのに、
「ラブラドライト、苦手なんです」
という人には、私はあまり出会ったことがありません。
むしろ天然石が好きな方には、かなり人気がある印象です。
そして困ったことに、ひとつ持っていても、また違うものが欲しくなる。
青く光るもの。緑が強いもの。黄色やオレンジが見えるもの。
角度によってはほとんど光らないのに、少し動かした瞬間、ものすごい色が現れるもの。
ひとつひとつ、本当に表情が違います。
ラブラドライトは、スピリチュアルな世界では「直感」「変容」「覚醒」「保護」などと結びつけられることの多い石です。
「魂レベルで、スピリチュアルな次元とコンタクトを取りたいときに惹かれる」
という説明をされることもあります。
そもそも、ラブラドライトとは?

ラブラドライトは、長石の仲間です。
より細かくいえば「斜長石」というグループに属し、カルシウムとナトリウムを含む鉱物です。モース硬度は6〜6.5ほど。
名前の由来は、カナダ北東部のラブラドール地方。18世紀後半、この地域で採取されたものがヨーロッパに紹介され、産地である「Labrador」からラブラドライトと呼ばれるようになりました。
でも、ラブラドライトを有名にしている最大の特徴は、やはりあの「光」です。
あの光は、石そのものの色ではない
ラブラドライトを動かすと、
青。緑。黄色。オレンジ。ときには紫っぽい色まで現れます。
この独特の光学効果は、
「ラブラドレッセンス(labradorescence)」
と呼ばれています。

面白いのは、この鮮やかな青や緑が、単純に「石に青い色素が入っているから」見えているわけではないことです。
ラブラドライトの内部には、とても細かな層状の構造があります。そこに入った光が干渉することで、特定の色が強く見える。
そのため、見る角度や光の当たり方を変えると、さっきまで灰色っぽかった場所から突然、鮮やかな色が現れます。
「ない」のではなく、「見えていない」
ラブラドライトは、正面から見ればいつでも美しく輝いている石ではありません。
むしろ角度によっては「普通の灰色の石?」くらいに見えるものもあります。
でも、少し傾ける。光の方向を変える。見る場所を変える。
すると突然、そこにずっとあったはずの光が現れる。
私は、ラブラドライトの本質はここにあるような気がします。
何かが新しく加わったわけではありません。さっきまで存在しなかった青い光が、突然、石の中に生まれたわけでもない。もともと、そこにある。
ただ、その角度からは見えていなかった。
これは、人にも、よくあることだと思います。
見る角度が変わると、同じものが違って見える

自分には何もない。
才能がない。
うまくいっていない。
答えが見つからない。
そう思っているとき、本当に「ない」とは限りません。
今いる場所から、今までと同じ角度で見続けているから、見えていないだけかもしれない。
少し環境が変わったり。
誰かと話したり。
知らなかったことを知ったり。
今までとは違う経験をしたり。
それだけで、「あれ?」と、同じ自分がまったく違って見えることがあります。
ラブラドライトの光も、石そのものが別の石に変化したわけではありません。
見る位置が変わったことで、見えるものが変わった。
私はここが、とてもラブラドライトらしいと思っています。
「スピリチュアルな次元とつながる」とは?
そして、もうひとつ。
ラブラドライトには、
「高次元とのつながり」
「魂とのつながり」
「スピリチュアルな世界とのコンタクト」
といった意味もよく与えられます。
こう書くと、かなり壮大です。
宇宙人と交信できるのかもしれない👽
……という話はさておき。
私は、ここでいう「見えない世界」というものを、必ずしもものすごく遠い世界として考えなくてもいいと思っています。
自分ではまだ言葉にできていない感覚。
なぜかわからないけれど気になるもの。
理屈では説明できないけれど、こっちだと思う感覚。
普段は意識に上がってこない、自分自身の内側。
そういうものが全て、「まだ見えていないもの」です。
そう考えると、ラブラドライトが「見えないものとのつながり」を象徴するという話も、少し身近になります。
光っていないラブラドライトも、ラブラドライト
ラブラドライトは、光っている瞬間だけラブラドライトなのではありません。
青い光が見えなくなっても、石そのものが価値を失ったわけではない。
ただ、今の角度から見えていないだけ。
人間も、案外同じなのかもしれません。
いつも才能を発揮している必要はない。
いつも輝いて見える必要もない。
自分で自分の良さがわからない時期があってもいい。
「何もない」と感じるときでも、
本当に何もないとは限らない。
角度が変わった瞬間、今までずっとそこにあったものが、突然見えることがあります。
ラブラドライトが問いかけるもの
ラブラドライトに惹かれたとき、「スピリチュアルな能力が高まる石だから」と考えるのも面白いと思います。
そして、今の自分には、何が見えていないんだろう?と考えてみる。
ないと思っているもの。
できないと思っていること。
気づいていない自分。
もしかすると、「ない」のではなく、まだ、それが見える角度に立っていないだけなのかもしれません。
見えなかったものが、突然見える。
同じものなのに、世界が違って見える。
「覚醒」というのは、何か特別なものを手に入れることではなく、ずっとそこにあったものに、気づくことなのかもしれないと思います。
だから、ひとつ持っていても、また別のラブラドライトが欲しくなるのかもしれません。
石によって違うというより、見るたびに、こちらに違うものを見せてくれる。
そんなところが、この石の面白さなのだと思います。

コメント