相手の気持ちを知ることよりも「自分の気持ち」

陰陽五行・象徴

「あの人は、私のことをどう思っていますか?」

占いをしていると、とてもよくいただく質問のひとつです。

好きな人がいる。

最近、相手の態度が変わった気がする。

連絡がなかなか返ってこない。

自分のことを好きなのか、それとも何とも思っていないのか。

相手の気持ちがわからないと、不安になることがあります。

もちろん、相手の気持ちを知りたいと思うこと自体は、ごく自然なことです。

でも、ここでひとつ考えてみたいことがあります。

相手の気持ちがわかったとして、それで自分はどうしたいのでしょうか。

相手が好きなら、自分も好きになる?

たとえば、占いで、

「相手もあなたのことが好きですよ」

と言われたとします。

たしかに、嬉しいですよね。

では、反対に、

「相手はあなたに恋愛感情を持っていないようです」

と言われたら、どうでしょう。

そこで、好きな気持ちはなくなるのでしょうか。

あるいは、

「相手はあなたのことが嫌いです」

と言われたら、その瞬間に自分も相手を嫌いになるのでしょうか。

おそらく、そんなに単純なものではありません。

相手が自分を好きだから、好きになる。

相手が自分を嫌いだから、好きではなくなる。

もし、そうやって自分の気持ちが決まるのだとしたら、そこには少し不思議なことが起きています。

自分の気持ちを決める基準が、相手の気持ちになっているのです。

本来、

「私は、あの人が好き」

ということと、

「あの人は、私が好き」

ということは、まったく別の話です。

もちろん、相手の気持ちによって、自分の行動を変えることはあります。

脈がなさそうなら距離を置くこともあるでしょうし、好意を感じたら積極的になれることもあるでしょう。

でも、それは行動の選択であって、自分の気持ちそのものとは違います。

相手の気持ちを考えるほど、自分がわからなくなる

恋愛の相談を聞いていると、相手のことをとてもよく観察している方がいます。

昨日は優しかった。

今日は少し冷たかった。

LINEの返事が短かった。

でも、会ったときには笑ってくれた。

SNSは更新しているのに、自分には返信がない。

こうした小さな出来事から、相手の気持ちを一生懸命読み取ろうとします。

それだけ相手のことが気になるのでしょう。

ところが、相手の気持ちばかりを考えていると、次第に自分の気持ちが見えなくなることがあります。

「相手はどう思っているんだろう?」

「嫌われていないだろうか?」

「どうしたら好きになってもらえるんだろう?」

そんなことを考えているうちに、

「そもそも、自分はこの人とどうなりたいんだろう?」

という問いが、どこかへ行ってしまうのです。

「好き」と「嫌われたくない」は、同じではない

「好きだから、嫌われたくない」

という気持ちは、至極、自然なものです。

でも、

「嫌われたくないから、好きだと思っている」

ということも、場合によっては起こります。

たとえば、相手から連絡が来ないと不安になる。

相手が優しくしてくれると安心する。

相手の態度が冷たくなると、何とかして振り向いてもらおうとする。

そんな状態が続いているとき、求めているものは、本当にその人との恋愛関係なのでしょうか。

もしかすると、

「嫌われていないという安心感」

なのかもしれません。

「自分には価値があると思えること」

なのかもしれません。

「相手に認めてもらうこと」

なのかもしれません。

もちろん、だからといって、その恋愛感情が嘘だというわけではありません。

好きという気持ちと、認められたい気持ちが同時に存在することもあります。

ただ、ここを区別しないままでいると、相手に振り向いてもらうこと自体が目的になってしまう場合があります。

そして、いざ相手が振り向いてくれたときに、

「あれ? 本当にこの人が好きだったんだっけ?」

となることもあるわけです。

相手の目を通して、自分を見ていないか

心理学では、他者からの評価に自分の価値を強く依存させてしまう状態が問題になることがあります。

また、親密な関係の中で、自分の考えや感情と相手の考えや感情を区別することが難しくなる場合もあります。

こうした問題を考えるうえで参考になるのが、「自己分化」という概念です。

自己分化とは、簡単にいえば、他者との関係を保ちながらも、自分自身の考えや感情を見失わずにいられることです。

親しい相手だからこそ、その人の気持ちは気になります。

でも、相手が不機嫌だからといって、自分まで不機嫌になる必要はありません。

相手が自分を好きではないからといって、自分自身の価値がなくなるわけでもありません。

相手の気持ちを大切にすることと、自分の気持ちを相手に預けることは違います。

ところが、相手からどう見られているかばかりを気にしていると、いつの間にか「私はどういう人間なのか」を、相手の反応によって決めるようになってしまう。

相手が優しければ、自分には価値がある。

相手が冷たければ、自分には価値がない。

これでは、自分の人生なのに、ずっと相手の目を通して自分を見ていることになります。

占いで「相手の気持ち」を見ることの意味

では、相手の気持ちを占うことには意味がないのでしょうか。

たしかに、相手の気持ちを考えることも、恋愛では大切です。すでに嫌われているのに、アプローチしても厳しいでしょうし、逆に、好意があることがわかれば、スムーズに関係が進むかもしれません。

しかし、タロットカードなどで相手の気持ちを占ったとしても、それが相手の本心を客観的に証明するわけではありません。

占いによって得られた答えは、あくまで状況を考えるためのひとつの視点です。

そして私は、相手の気持ちを占うことの価値は、その先にあると思っています。

たとえば、

「相手は今、恋愛よりも仕事を優先しているようです」

という結果が出たとします。

そこで、気がついていただきたいのは、それを聞いた自分の気持ちです。

「私は、その人を待ちたいんだろうか?」

「今の関係を続けることは、自分にとって心地いいんだろうか?」

「この人との関係に、何を求めているんだろう?」

こうして、相手の気持ちを入口にしながら、少しずつ自分の気持ちへ戻っていく。

相手を知るために始めた占いが、自分を知るための占いに変わる。

そこが面白い、大切なところだと思っています。

「どう思われているか」より、「どうしたいか」

相手が自分を好きだとわかったとしても、その人と付き合わなければならないわけではありません。

反対に、相手が自分を好きではなかったとしても、自分の気持ちをすぐに消さなければならないわけでもありません。

好きでいること。

気持ちを伝えること。

距離を置くこと。

諦めること。

別の出会いを探すこと。

どれを選ぶかは、自分で考えていいのです。

もちろん、恋愛関係を成立させるには、相手の意思も必要です。

自分が好きだからといって、相手にも同じ気持ちを求めることはできません。

でも、だからこそ大切なのは、相手の意思を尊重しながら、自分の意思も見失わないこと。

相手がどう思っているかは、自分では決められません。

でも、その状況の中で自分がどうしたいかは、考えることができます。

「どうしたら好きになってもらえますか?」という質問

「あの人は私のことをどう思っていますか?」

という質問の奥には、

「どうしたら、あの人に好きになってもらえますか?」

という願いが隠れていることが多々あります。

そう、あくまで関係を進めていきたいことが前提となっている。

私は、実はこちらの質問のほうが、ずっと生産的なのではないかと思っています。

なぜなら、

「どう思っていますか?」は相手の状態を確認する質問ですが、「どうしたら?」は自分の行動を考える質問だからです。

たとえば、占いで、

「相手もあなたに好意を持っていますよ」

と言われたとします。

たしかに、嬉しい。

でも、そこで安心してしまって、何もしなかったら?

お互いに好意があったとしても、何も進展しないかもしれません。

反対に、

「今のところ、相手に恋愛感情はなさそうです」

と言われたとしても、そこで終わりとは限りません。

まだお互いのことをよく知らないだけかもしれない。

一緒に過ごす時間が増えることで、関係が変わることもあるでしょう。

そこで、

「では、どうしたら好きになってもらえるだろう?」

と考えてみる。

相手の好きなことを知る。

共通の話題を探す。

自分から連絡してみる。

一緒に過ごす機会をつくる。

自分の気持ちを少しずつ伝えてみる。

こうした行動によって、相手との関係が変わる可能性があります。

もちろん、何をすれば必ず好きになってもらえる、という方法があるわけではありません。

相手には相手の気持ちがあり、選択があります。

でも、だからといって、何もできないわけではないのです。

相手の気持ちは自分では決められない。でも、相手との関係をよくするために、自分が何をするかは決められる。

ここが大切なのだと思います。

「どうすれば?」という質問には、今の状況を少しでもよくするための行動が含まれています。

相手を無理やり変えるのではなく、自分の関わり方を変えてみる。

それによって、望んでいる関係に近づける可能性を高めていく。

占いは、そんなふうに使えるものなのです。

相手の答えを待つよりも、自分から動いてみる

占いには、さまざまな使い方があります。

未来を予測すること。

相性を考えること。

相手の気持ちを占うこと。

どれも、占いの楽しさであり、役割のひとつです。

でも、相手の気持ちを何度確認しても、それだけでは現実が変わらないことがあります。

「相手は私を好きですか?」

「いつ連絡が来ますか?」

「いつ告白してくれますか?」

こうした質問を繰り返しているうちに、いつの間にか、自分の人生が相手の行動待ちになってしまうこともあります。

もちろん、待つことが必要な場合もあります。

でも、ただ待っているしかないのでしょうか。

そこで、質問を少し変えてみます。

「私は、この人とどうなりたいんだろう?」

そして、

「そのために、今の私には何ができるだろう?」

こう考えるだけで、占いの使い方はずいぶん変わります。

相手から連絡が来るのを待つだけではなく、自分から連絡してみる。

告白される時期を待つだけではなく、自分から気持ちを伝えてみる。

相手の気持ちが変わるのを待つだけではなく、今の関係を見直してみる。

もちろん、行動したからといって、必ず望んだ結果になるわけではありません。

それでも、自分で選んで行動すれば、少なくとも今までとは違う展開が生まれる可能性があります。

そして、その行動を通して、自分自身の気持ちがはっきりしてくることもあります。

「やっぱり、この人が好きなんだ」

と思うかもしれません。

反対に、

「ここまで頑張って関係を続けたいわけではなかった」

と気づくかもしれません。

どちらも、大切な発見です。

占いは、相手の気持ちを知って安心するためだけのものではありません。

自分が望んでいることを確かめ、そのためにできることを考える。

そして、実際に行動してみる。

私は、そこまでつながってこそ、占いを現実に役立てられるのではないかと思っています。

相手の気持ちがわかれば、安心できることもあります。

でも、相手の気持ちがわからなくても、自分から動くことはできます。

「あの人は、私をどう思っていますか?」

その質問もいいと思います。

でも、もし今の関係を変えたいのなら、

「どうしたら、好きになってもらえますか?」

と聞いてみる。

その質問から、自分ができることを探していく。

占いは、誰かの答えに自分を合わせるためのものではありません。

自分の意思を確かめ、自分の行動によって、望む未来に近づいていくためにも使えるものです。

相手の気持ちを知ることよりも、そこから自分が何をするか。

そのほうが、ずっと大切なのではないでしょうか。

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