人間は自分が意識を向けた人の感覚をそのまま自分のことのように感じてしまうという性質をもっています。心理学ではこれを「ミラーニューロン」といい、整体では「共鳴」、スピリチュアルでは「エーテル体の共有」あるいは「エーテルコード」と呼んだりします。いずれにしても、ほかの人の気持ちや感覚を感じられるということは、単なる想像の産物ではなく、実際に脳の活動として科学的に証明されていることです。
そのため、考えてみるとどこからが自分で、どこからが他人の感覚・気持ちなのか、実はあいまいになってしまうことがあります。例えば、「どうしても欲しい!」と思っていたものが実際に手に入れてみると、それほど魅力を感じるものではなかった、ということがありますが、これは他人の感覚を自分のものとして感じてしまっているために、その感覚を満たそうとしても満たされないということが起きています。また、コンビニのレジで横入りされて「すごくムカつく!」と感じても、本当は別になんとも思っていない自分がいて、「ムカついて」いるのは自分の後ろのおじさんだったり、忙しくなったコンビニの店員だったりということがあるのです。
もちろん、楽しい感覚も共有されるので、みんなでパーティに行ったり、お祭りやテーマパークの人混みでも楽しくなるのは、「楽しい!」を共有しているからです。しかし、普段の生活のなかでは、特にストレスのかかっている脳から伝わってくる感覚のほうが多いため、自分のなかの「不快感」として感じられることがほとんどです。
ですから「不快感」が湧いてきたら、「これは本当に自分のもの?」「違うとしたら、誰のもの?」と確認するようにしてみましょう。「イラッ」とか「ムカッ」とか、感じているはずなのに、実は特に理由がみつからないということもよく起こります。「不快」になったら疑ってみる。そうすると、本来の自分につながっていくきっかけを得ることができます。
『Soul Coaching Oracle Cards』 by Denise Linn
陰陽五行による解説
スピリチュアルではこの肉体の外側にエネルギーの領域があって、そのうち肉体にもっとも近いものを「エーテル体」といいます。オーラといわれるものは、だいたいこの「エーテル体」が可視化されたものです。体の不調が出る時には、先にエーテル体の異常がみられるともいわれ、肉体と非常に密接な関係をもっていることがわかっています。一般的に「気」といわれているのも、エーテル体のことを指していることが多いです。陰陽五行では「エーテル体」は「土」に象徴されます。「肉体」も「土」であり、その延長として考えているのです。
今回の「不快感が伝わる」というのは、この「エーテル体」を共有しているから、ということになります。外出先で出会った人でも、ちょっと意識しただけで、エーテル体が共有されて、その感覚を共有してしまいます。また、家族のつながりなどは普段から「エーテル体」を共有していることによるので、家族のイライラは特によく伝わってくるものです。つまり「土」の「枠」を共有していることは「エーテル体」を共有していることであり、その「場」を共有すれば、感覚すら共有されてしまうのです。
ですから、自分の感覚、特に「不快感」を疑ってみることで、その「エーテル体の共有」から自由になって、本来の自分の感覚を取り戻すことができます。自分の感覚ではないものに苦しめられる必要はありません。本来の自分の感覚を取り戻せば、本当に自分らしく、楽しく生きていくことができるようになります。
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