いったん忘れたほうがうまくいくことって、想像よりもずっと多いです。
学校の勉強は、基本的に暗記しているかどうかを問う試験だから、暗記することが正しいって思いこんでいました。みんなで同じカリキュラムを勉強しているわけだから、ちゃんとやったかって暗記を問うだけでじゅうぶんなわけです。思考力を問うはずの数学でさえ、その解き方を知っているかどうかが重要だったりします。やはり教科書の内容を勉強しているかどうかがわかればいいからです。
そして、友達とのあいだでもみんなと同じことを知っていて、暗記しておく必要があるから、それを知らないだけで「常識がないひと」「仲間外れ」になってしまうという恐怖がいつもありました。
でも、本当の知識や自分の血肉となっていく知識は、忘れてからが本番だといえます。忘れたところで、ちゃんと自分の言葉で語ることができてしまうのが本当の知識です。考えてみれば、他人と話しているとき、自分の口からでる知識って、暗記したことというよりも、理解して使っているだけなんですよね。だから、暗記だけで終わる知識なんて、ほとんど役に立っていないわけです。今なら、スマホでササっと調べられるからなおさらです。
勉強なんて忘れてなんぼ。覚えようとしなくても、必要なものはちゃんと理解して使えるようになっていく。忘れたほうが意外とうまくいくんです。さぁ、忘却の彼方へ!
『The Green Witch’s Oracle Deck』 by Arin Murphy-Hiscock
陰陽五行による解説
「暗記」しようとするのは、自分の「枠」に取り込もうとするから、陰陽五行では「土」に象徴されます。実際、スピリチュアル的に「記憶」のもとになっている「エーテル体」も「土」です。一方、普段の「コミュニケーション」は「水」に象徴されます。つまり、暗記した「土」的な知識で話をしていると、「水」の「個性」が発揮できず、どんなに幅広い知識を語ることができたとしてもおもしろみにかけるということになります。そして、会話のなかで「水」という「個性」を発揮していくためには「金の触媒」が必要であり、これがいったん忘れるということです。
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