「やろう」と思うと「できない」仕組み

「やろう」と思うと、できなくなってしまう。「がんばろう」と思って気合を入れればいれるほど、なんだか空回りして、やる気をなくしてしまうんです。なんだかやる気が出ないから、「さぁ、やろう」と自分を奮い立たせているのに、どうにもそれは自分にとって逆効果な気がしていました。

自分のなかで「がんばろう」とか「やろう」と思ったときには、頭のなかでは必ず「やらない」という選択肢も浮かんでいます。「やろう」というのと「やらない」というのが同時に頭に浮かんでくるから、「やらない」という選択肢を抑制して、「やろう」という選択ができるわけです。普通なら「やろう」と思うから「できる」と考えますが、実際には「やらない」を抑制するから「できない」を回避して、「できる」ことになっているのです。つまり、「やろう」と思えば思うほど、逆に「やらない」という選択肢も大きくなってしまって、なんだか「動けない」という状態になってしまいやすくなるということです。ですから、自分を奮い立たせて「がんばろう」とするのはむしろ逆効果になってしまいます。

「やろう」と思うのではなく、「やらなくてもいい」とか「楽しむだけ」と考えてみると、抑制すべき逆の選択肢のふれ幅が小さくなって、行動するのがずいぶん簡単になります。がんばらなくても大丈夫。できなくても大丈夫。できないなら、できないなりに、うまくいく道が用意されているものです。

『WISDOM of the ORACLE』 By Colette Baron-reid

陰陽五行による解説

「やろう」としたとき、「やらない」という選択肢も浮かんでいるということは、まさに「陰陽」の関係になります。要は、どちらもあるが、どちらに注目するかで選択は決まっていくということです。陰陽の世界観は、陰陽五行では「土」に象徴されます。「土」は真ん中であり、全体です。「土」は「枠」であり、そこには引力があると説明されます。自分が行動を起こそうとしたとき、そこから動けない状態になってしまうのは「土」の引力によるものであったりします。「土」から抜け出すためには「火の触媒」を加えることがひとつの方法です。今回の「やらなくてもいい」や「楽しむ」というのは、すべてお任せしてしまうということであり、「火の触媒」に任せてしまおうということで、この発想を持つだけで「土」から抜け出すことができるという仕組みになっています。