それは「いつ」ですか?~占いで未来の時期を伝えるということ

タロット

占いをしていると、とてもよく聞かれることがあります。

「それは、いつですか?」

「彼氏ができるのは、いつですか?」

「流れがよくなるのは、いつですか?」

「お金が入ってくるのは、いつですか?」

「いつになったら、元気になりますか?」

未来について相談しているのですから、当然といえば当然の質問です。

そして占いには、時期を読むための技法もあります。

でも私は最近、この「いつ」という質問には、少し慎重でありたいと思っています。

なぜなら、

「○月にそうなります」と伝えることは、裏を返せば「それまでは、そうなりません」と伝えることにもなるからです。

それって場合によっては、占いではなく「呪い」になってしまうんじゃないか。

そんなふうに思うのです。

「3か月後に彼氏ができます」

たとえば、

「3か月後に彼氏ができますよ」

と言われたとします。

嬉しいですよね。

「あと3か月か。楽しみ!」

と希望を持てるなら、この占いはその人にとって役に立っています。

ところが、この言葉にはもうひとつの意味があります。

「3か月間は、彼氏ができない」

です。

もちろん占い師は、そんなことを言ったつもりはありません。

むしろ安心してほしくて伝えたのかもしれません。

でも、その言葉を強く信じた人が、翌週とても素敵な人と出会ったらどうでしょう。

「でも、占いでは3か月後って言われたし……」

と、無意識に可能性から目を逸らしてしまうかもしれません。

未来を教えたつもりの言葉が、未来を制限してしまう。

これは、占いをする側が少し考えておかなければならないことだと思っています。

未来予測と「期限」は違う

私は、時期を見ること自体が悪いとは思っていません。

「今年の後半は人との交流が増えそう」

「○月頃から仕事の状況が動きやすそう」

「半年くらいまでを目安に考えてみてもいいかもしれない」

こうした未来予測によって、相談している人が安心したり、準備できたりすることがあります。

それなら十分、占いとして役に立っています。

問題なのは、

未来予測が「そこまでは無理」という期限に変わってしまうこと。

「いつ頃?」という目安と、

「その日までは起こらない」という宣告は、

似ているようで、まったく違います。

本当は「いつ?」ではなく「早くそうなりたい」

そもそも、

「彼氏ができるのはいつですか?」

と聞く人は、本当に日付が知りたいのでしょうか。

もちろん、知りたい気持ちもあると思います。

でも、その奥には、

「できるだけ早く、いい人と出会いたい」

という希望があるはずです。

「流れがよくなるのはいつですか?」

なら、

「今の状態から早く抜け出したい」。

「お金が入ってくるのはいつですか?」

なら、

「お金について安心したい」。

「いつ元気になりますか?」

なら、

「早くこのつらさから抜け出したい」。

だとしたら、占い師が見るべきなのは「未来の日付」だけではないと思うのです。

どうしたら、その未来を少しでも早くこちらへ持ってこられるのか。

そこまで一緒に考えることも、占いではないでしょうか。

未来は「待つもの」だけではない

たとえば、

「彼氏ができるのはいつですか?」

これに対して、

「半年後です」

と答えることはできます。

でも、ものすごく現実的に考えれば、

人と出会う。

関係を築く。

お互いに好意を持つ。

そして、どちらかが告白する。

そうすれば、彼氏・彼女という関係は成立します。

だったら、「半年後まで待つ」以外にもできることがあります。

出会う場所を変えてみる。

人と会う回数を増やす。

気になる人がいるなら、少し関係を進めてみる。

未来を占うことと、未来をつくるために今できることを考えることは、両立します。

むしろ私は、そちらのほうが占いを現実に使えていると思っています。

「お金はいつ入りますか?」

これも同じです。

「お金が入るのはいつですか?」

占いで時期を見ることはできます。

でも、お給料をもらっている人なら、まず給料日にお金は入ります。

収入を増やしたいなら、仕事を増やす、商品を売る、条件を見直すなど、現実的にできることもあります。

占いで臨時収入の日を待つより、そちらのほうが確実な場合もあります。

少し夢がないでしょうか。

でも私は、こういう当たり前のことを、当たり前の流れとしてお伝えすることも占いだと思っています。

占いだからといって、すべてを不思議な答えにする必要はありません。

「いつ元気になりますか?」なら、なおさらです

身体や心については、もっと慎重である必要があります。

「いつになったら元気になりますか?」

と聞かれたとき、

「来月には元気になります」

と言って安心させることが、本当にその人のためになるとは限りません。

症状によっては、占いより先に医療機関で診てもらったほうがいいこともあります。

適切な治療や支援につながることで、回復への道筋が見えてくることもあります。

そこで占い師が「○月には治ります」と言ってしまえば、必要な行動を遅らせてしまう可能性すらあります。

希望を伝えることと、現実を見なくていいと言うことは違います。

「アゲ鑑定」が呪いになることもある

占い師としては、できれば相談者に笑顔で帰ってほしいものです。

だから、

「大丈夫ですよ」

「もうすぐよくなりますよ」

「○月には素敵な人が現れますよ」

と言いたくなる気持ちは、よくわかります。

でも、希望を持たせるために伝えた言葉が、その人の行動を止めてしまったらどうでしょう。

「○月まで待とう」

「占いで大丈夫と言われたから大丈夫」

「この人が運命の人だと言われたから、もう少し我慢しよう」

占い師に悪意はありません。

むしろ「アゲ鑑定」ですから、喜んでもらいたくて言っています。

それでも結果として、

本人が本来持っていた選択肢を狭めてしまうことがある。

私は、それを占いの持つ「呪い」の側面だと思っています。

占いは、未来を固定するためのものではない

だから私は、

「いつですか?」

と聞かれたとき、単純に日付を答えるだけではなく、

「今の流れなら、このあたり」

という見方を大切にしたいと思っています。

「今の流れなら」ということは、

今が変われば、その先も変わる可能性があるということです。

早くなるかもしれない。

違う形になるかもしれない。

そもそも、その未来を選ばなくなるかもしれない。

それでいいと思います。

占いをした日に見えた未来に、その人の人生を合わせる必要はありません。

「いつ?」より「どうしたら?」

未来が気になることは、悪いことではありません。

わからないから不安になるし、少し先が見えれば安心できる。

だから占いがあります。

でも、

「いつ起きますか?」

と聞いたあとに、もうひとつ聞いてみてほしいのです。

「では、そのために今できることは何ですか?」

こちらの質問が加わるだけで、占いはずいぶん変わります。

未来を待つだけだった人が、未来に参加できるようになるからです。

「いつ彼氏ができますか?」

「いつ流れが変わりますか?」

「いつお金が入りますか?」

未来を読むことはできます。

でも、その答えによって今日からそこまでの時間を「何も起きない期間」にしてしまう必要はありません。

明日変わったっていいんです。

むしろ、一刻も早くそこから抜け出したくて占いに来ているのなら、私はその可能性を閉じない占いをしたいと思っています。

未来を言い当てることより、

未来に余白を残しておくこと。

それも、占い師の仕事のひとつではないかと思うのです。

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