小さいころから、ひとにはやさしくするように教えられてきました。いつでもどこでも、ひとのことをまず考えて、自分はそっちのけでも、ひとのためにどう動けばいいかを優先するようにいわれてきました。でも、そうやって、ひとのことを優先した行動すればするほど、ひととの距離は遠くなって、誰からも距離を置かれるような人間になっていったのです。
なぜなら、このときやっていたことはただの自己犠牲だから。自己犠牲をして、他人にやさしくしようとすることは、苦行以外のなにものでもありません。自分を犠牲にしてまで、ひとのことを考えても、本質的にやさしくできることなんてないし、本当に相手のための行動なんてできるはずがないのです。
ひとにやさしくするためには、まず、自分が満たされていることがポイントです。自分が満たされているから、ひとにもやさしく接することができます。そして、そのやさしさはだんだん連鎖して広がっていきます。本当のやさしさは、意識して行動するものではなく、自然と世界を幸せにしていくものです。
『Angels among Us』 By Victoria Maxwell
陰陽五行による解説
「やさしさ」とは、本質的に「愛」です。「愛」は陰陽五行では「火」に象徴されます。「火」は「ハート」のエネルギーであって、どれだけ意識しようとしても、自分が納得していなかったり、満足していなかったら、その力をうまく使うことはできません。どれだけ腕のいいシェフでも、イライラしながら料理ができないのと同じです。自分のことを満たしているから、本当の「やさしさ」を発揮することでき、それは「火」の性質として、あたたかく、自然と広がっていくものなのです。
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