「あなたのためだから」って、本当は、わたしのために向けられたものではありません。人間の脳って、そもそも他人のことを考えるようにはできていません。だから、「あなたのため」と言った時点で、その言葉には嘘が隠れているし、結局、自分のためでしかないはずなのです。
では、「あなたのため」を本当に思ってくれる人はいないのでしょうか?いいえ、そうではありません。しかし、重要なことは、意識的に「あなたのため」は不可能だということです。「あなたのため」は意識的にそうなるのではなく、無意識に振舞っていると、結果的に「あなたのため」になっているはずなのです。「あなたのため」って言葉で表現するよりも、言葉は無くても態度で伝わる、そこに本当の「あなたのため」があるのです。
本当の「愛」は意識にはなく、無意識のなかに宿ります。意識で「愛」を語っても、何の意味もありません。その無意識の立ち居振る舞いに、本当の「愛」がにじみ出るのです。
『SACRED SPIRIT READING CARDS』 By Anna Stark
陰陽五行による解説
言葉で表現できる「愛」とは、「幻想」だと書いてしまいました。陰陽五行では「愛」は「火」に象徴されます。「火」=「無意識」でもあります。そのため、「愛」=「無意識」のはずであり、本当の「愛」とは、心のなかのフワッとしたあたたかさそのもののことで、言葉で表現する以前に感じているものだとわかります。
一方、言葉で「愛」というとき、「頭で考える」ということをしていて、それは「意識的」になっていることがわかります。「頭で考える」ことは「木」に象徴されます。「木」=「幻想」でもあります。つまり、本来は無意識のものであるはずの「愛」を、意識で捉えて言葉で表現しようとすることで「幻想」になってしまうということです。
コメント