少し前に「エンパス」という言葉が流行って『共感力』というものの高さが注目されていました。今でも、占いなどで「共感力が高い」などと表現することがあります。しかし、この「共感」という言葉にはかなり危ないものが含まれていることに注意が必要です。
「共感」というと、すぐに思いつくのが「相手のことを思いやる」ということです。「共感」=「相手のことがわかる」=「思いやることができる」となるわけです。しかし、そもそも「相手のことがわかる」というのは「共感」ではありません。わかりやすいところでいえば、親は子供に対して「あなたのことはよく知っているから」といいますが、これは「共感」ではないですね。むしろ「決めつけ」です。そして、そこから「あなたのためを思って」と続くわけですが、これも「共感」ではありません。むしろ、結果として、子供が動けなくなってしまう「呪い」として効力を発揮してしまったりするのです。
「共感」というのは、ある状況を自分と相手という2つの視点から見つめることができることです。つまり、自分の視点から判断しないことが大前提になります。自分も相手も区別のない世界観が「共感」ということです。
『The Soul’s Journey Lesson Cards』 By James Van Praagh
陰陽五行による解説
「共感」という言葉は、少し難しいということを書いてみました。実際には、ここまで考える必要はないのですが、あえて突っ込んでみるとおもしろいことが見えてきます。「共感」は「愛」のエネルギーですから、陰陽五行では「火」に象徴されます。「火」は物質的な世界観から離れていることが前提なので、やはり自分の「枠」から出ていることが大前提であることがわかります。また、「火」と「土」には「火生土」の関係があり、「火」があったとき「土」の世界観が作られると解釈できます。つまり、「愛」を持つことで、世界の見方が変わる、つまり「わたしだけ」の世界だったものが、「わたしとあなた」を含む世界としてみることができるようになるわけです。
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