タロットカードには、たくさんのものが描かれています。
人物、動物、植物、建物、山、川、太陽、月。
さらに、服の色や数字、人物が向いている方向、手に持っているものまで。
タロットを勉強し始めると、どうしてもカードごとの「意味」や「キーワード」を覚えようとします。
「愚者は自由」
「皇帝は権力」
「死神は終わりと変化」
もちろん、それも必要です。
でも、タロットがおもしろくなってくるのは、そこからだと私は思っています。
カードに描かれているものをひとつずつ見ていくと、
「なぜ、このカードにはこれが描かれているんだろう?」
という疑問が出てきます。
そこから「象徴」を知っていくと、暗記していたカードの意味が少しずつつながり始めます。
タロットにおける「象徴」とは?
象徴とは、簡単にいえば、目に見えるものを通して、その奥にある意味や概念を表現するものです。
たとえば「太陽」。

実際の太陽は天体ですが、人は昔から太陽に、生命、光、活力、成功など、さまざまな意味を重ねてきました。
「水」なら、感情や無意識。
「山」なら、目標や試練。
「白」なら、純粋さや始まり。
もちろん、象徴には「これだけが正解」という意味がひとつだけ存在するわけではありません。
文化や時代、使われる場面によっても意味は変わります。
だからこそ、タロットでは「○○が描かれていたら必ず○○」と機械的に置き換えるのではなく、カード全体のなかで考えることが大切です。
なぜ象徴を知るとタロットが読みやすくなるのか
カードの意味だけを覚えていると、どうしてもリーディングが単語の組み合わせになりやすくなります。
でも、
「なぜ、このカードがこの意味になるのか」
まで理解していると、読み方に幅が出てきます。
たとえば同じ「赤」でも、あるカードでは情熱に見えるかもしれません。
別のカードでは、怒りや衝動として感じることもあります。
そこで必要なのは、
「赤=情熱」
と覚えることだけではありません。
なぜ今、この赤が気になったのか。
そのカードのどこに使われているのか。
誰が身につけているのか。
周囲には何が描かれているのか。
そうやって見ていくことで、象徴が実際のリーディングの言葉になっていきます。
色の象徴
タロットでは、色も重要な情報のひとつです。
たとえば、
赤
情熱、行動力、生命力、欲求など。
青
冷静さ、精神性、知性、静けさなど。
黄
明るさ、意識、知性、活力など。
緑
成長、自然、調和、回復など。
白
純粋さ、浄化、始まりなど。
黒
未知、無意識、終わり、深さなど。
ただし、色だけを切り離して読むのではありません。
「誰がその色を身につけているのか」「どこに配置されているのか」まで見ることで、意味が変わってきます。
数字の象徴
タロットでは数字にも意味があります。
特に小アルカナを読むとき、数字の流れがわかるようになると、カードを一枚ずつ暗記する必要が少なくなります。
1 始まり、可能性、意志
2 二極、選択、関係
3 発展、創造、広がり
4 安定、構造、固定
5 変化、葛藤、揺らぎ
6 調和、選択、回復
7 探求、試練、内省
8 力、継続、発展
9 成熟、完成に近づく段階
10 完成、一区切り、次の段階へ
数字だけでカードの意味が決まるわけではありません。
スートや絵柄と組み合わせることで、「その数字が何を表しているのか」が具体的になります。
動物の象徴
タロットにはさまざまな動物が登場します。
犬
忠誠、本能、仲間、警告。
馬
行動力、生命力、前進。
ライオン
力、勇気、本能、情熱。
鳥
精神、自由、視点、メッセージ。
蛇
変容、知恵、誘惑、再生。
動物は、その生態を考えてみるのもおもしろいところです。
「この動物はどんなふうに生きているのか?」
そこから考えると、教科書に書かれていない読み方が出てくることがあります。
植物の象徴
花や木、果実などもタロットでは繰り返し登場します。
植物は、成長、生命、豊かさ、季節の循環などと関係します。
ただし、植物の種類によっても象徴は変わります。
バラなのか。
ユリなのか。
ブドウなのか。
麦なのか。
「植物が描かれている」で終わらず、何の植物なのかまで見ていくと、カードの世界がさらに広がります。
太陽・月・星など天体の象徴
天体は、人間が昔から意味を見出してきた代表的な象徴です。
太陽
生命、意識、活力、明晰さ。
月
無意識、感情、揺らぎ、直感。
星
希望、導き、理想。
ただ、ここでも「太陽=成功」と単純に置き換えるだけではありません。
カードのなかで太陽がどのように描かれているのかを見ることが大切です。
建物・道・山・水にも意味がある
タロットでは、背景も意外と重要です。
山
目標、試練、乗り越えるもの。
道
人生の過程、選択、これから進む方向。
城・建物
社会、安定、権力、居場所。
川・海
感情、無意識、流れ。
人物だけを見ていると気づかなかったことが、背景を見ることで急に見えてくることがあります。
象徴を「暗記」しすぎない
ここまで象徴の意味を書いてきましたが、私は、これを全部暗記すればタロットが読めるようになるとは考えていません。
むしろ大切なのは、
「なぜ、それが気になったのか」
です。
カードを見たとき、最初に人物の顔が気になる日もあれば、背景の山が気になる日もあります。
同じカードなのに、以前とは違うものが目に入ることもあります。
そのとき、
「山にはこういう象徴がある」
という基本的な知識があれば、そこから考えることができます。
知識が答えを決めるのではありません。
知識があるからこそ、気になったものを手がかりにできる。
私は、象徴を学ぶ意味はそこにあると思っています。
一枚のカードだけで意味は決まらない
実際のリーディングでは、カードを複数枚並べることがあります。
すると、一枚だけでは見えなかった関係が生まれます。
人物同士が向き合っている。
一方は右を向き、もう一方は左を向いている。
同じ色が繰り返し出ている。
水の多いカードが続いている。
一枚一枚の意味を足し算するだけではなく、カードとカードの間を見る。
これも象徴を読むおもしろさです。
象徴を知ると、カードはもっと自由に読める
「象徴を勉強する」というと、覚えることが増えるように感じるかもしれません。
でも、私の場合は逆でした。
象徴を知るほど、カードの意味を丸暗記しなくてもよくなりました。
なぜこの絵なのか。
なぜこの色なのか。
なぜこの数字なのか。
そこから考えられるようになるからです。
基本を知ったうえで、自分が今どこに引っかかったのかを見る。
そうすると、カードに書かれた意味をそのまま読むのではなく、自分の言葉で伝えられるようになっていきます。
タロットは、意味を覚えて終わるものではありません。
一枚の絵のなかにあるものを見て、考えて、つなげていく。
そこに、タロットを読むおもしろさがあるのだと思います。


コメント