タロット占いをいくつか受けたことがある方なら、同じようなカードが出ていても、
「あれ?前の占い師さんと、言ってることが違う」
と思ったことがあるかもしれません。
同じカードなのに、ある人は「新しい始まり」と言って、別の人は「まだ準備ができていない」と言う。
「じゃあ、どっちかが間違っているの?」と思いますよね。
でも私は、必ずしもそうではないと思っています。
カードには「意味」がある
もちろん、タロットカードには基本的な意味があります。
なんでも好き勝手に読んでいいわけではありません。
でも、その意味をひとつだけ覚えて、
「このカードが出たから、あなたはこうです」
としてしまうと、タロットは途端につまらなくなります。
なぜなら、同じカードでも、
恋愛について聞いたのか。
仕事について聞いたのか。
これから始めようとしている人なのか。
もう何年も続けている人なのか。
それだけでも、カードから読み取れることは変わるからです。
同じ言葉でも、意味は変わる
これは普段の会話でも同じです。
たとえば、「もういい」という言葉。
怒っている人が言う「もういい」と、
満足した人が言う「もういい」では、
まったく意味が違いますよね。
しかし、言葉そのものだけを見れば、同じです。
でも、その前に何があったのか、その人がどんな表情をしているのかによって、私たちは自然に意味を読み分けています。
タロットも、それに近いところがあります。
カード一枚だけを切り取るのではなく、
「なぜ、今ここに、このカードが出たんだろう?」
と考えてみる。
タロットは、そこからが面白くなってくると思っています。
「覚える」と「読める」は、ちょっと違う
タロットを勉強し始めると、どうしてもカードの意味を覚えたくなります。
教科書のほとんどは、とりあえず覚えることに重点が置かれているし、覚えなければ始まらないと説く先生もたくさんいらっしゃいます。
そして、たしかに、暗記してしまえば、とりあえずは単語帳のように、意味を出してくるだけなので、早く占えるような気がします。
しかし、本当は、その暗記する意味の背景知識が必要なのです。
不思議なことに、たくさん覚えたからといって、そのままたくさん読めるようになるとは限りません。
むしろ、「このカードは、この意味だから……」と考えすぎて、目の前の相談と合わなくなることもあります。
背景知識があってはじめて、暗記するようなキーワードと結び付けて、目の前の事象を説明できるようになるのです。
目の前の人の話と、カードに描かれているものをつなげていく。
そこに「読む」ということがあるのだと思います。
占い師によって違っていい
だから、同じカードを見ても、占い師によって言葉が少し違う。
私は、それ自体はおかしなことではないと思っています。
むしろ、言葉としての表現は違っても、言ってることの本質が変わらないところに、複数の占いを受けることもおもしろさがあります。
アプローチの方法は違っても、たどり着く場所は同じ、みたいな。
全員が教科書とまったく同じことを言うのであれば、占い師がそこにいる意味も、あまりありませんし、それはAIの占いで十分です。AIのほうが、正しいといえば、正しい知識を披露してくれます。
だから私は、タロットを学ぶとき、
「正しい意味を言えるようになる」だけではなく、
自分の言葉でカードを語れるようになることが、とても大切だと思っています。
カードを覚えることと、カードを読めることは、ちょっと違うんです。


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