なにかを選択するとき、自分の感覚にちゃんと耳を傾けてみるとおもしろいことがわかります。意識では「ぜったいAにするべきでしょ!」と考えていても、強烈な違和感があって、本当の自分は「Bにしたほうがいい気がする」と感じていたりするのです。では、どちらの選択肢をとるのが、自分にとってよりよい方向に進んでいけるのでしょうか?
もちろん、どちらが“正解”というわけではありませんが、もし自分の意志が尊重される状況であれば、よりよい方向に進むためには「自分の感覚」のほうを優先したほうがいいということになります。なぜなら、意識による「~したほうがよい」という思考はあくまで頭のなかでの出来事であって、現実と関係のないところで発生するものだからです。一方、自分だけが感じる「強烈な違和感」や「自分の感覚」というのは、自分の今の立場に立ってはじめて発生するものであり、自分だけが感じるものですから、この感覚のほうが今の自分の状況にはピッタリくる選択肢へと、導いてくれるはずです。
ですから、なにか選択に出会ったときには「自分の内側の感覚」を信じて、選択肢を検討してください。普段意識せず、なんとなくで行動していますが、人間の毎日には選択肢が溢れています。朝ごはんに何を食べるか、飲むか、座って食べるか、立って食べるか、食べながらテレビを見るか、新聞を読むか…など、あげればキリがないほど、選択肢がいっぱいあります。そのなかで、自分が本当に心地よくなれることを選択するための警報機こそが、その「違和感」の正体です。
「違和感」があったら、それを大切にしてください。そこには自分の人生を変えるためのヒントやきっかけが隠されているかもしれません。
陰陽五行による解説
「自分の違和感」というのは、自分の体や心の感覚から発生するものです。陰陽五行では「体」を「土」で象徴します。つまり、自分の「体」から発生する「違和感」というのは「土」の感覚であり、それは「今の自分の立ち位置」に立ってはじめて感じられることであるということがわかります。
一方、「~したほうがよい」という思考は「頭で考えていること」になります。陰陽五行では「頭」は「木」になります。「木」は「思いのエネルギー」であって、ふわふわとあっちこっちに飛んで行ってしまうようなものの象徴です。つまり、今ここでの状況とは直接関係なく、思考は「~すべき!」と言っていることになります。ですから、実際の選択に立ち向かった時、こちらは「自分の状況がどうあれ~すべき」と考えていることになります。
このように考えていくと頭で考える「~すべき」というのは、自分の状況に則していない可能性がある、もっと言えば、自分の思考ではない可能性があります。本当の自分はそんなことしたくないのに、誰かにそう言われたからそうする、というような状態に陥っている可能性があるのです。
ですから、今、目の前の選択をして、よりよい方向に進みたいのであれば、自分の感覚に従うこと、違和感があるならそれを大切にすることがポイントになります。その小さな積み重ねが「今を生きる」ことそのものになっていくのです。
ただし、「木」と「土」では「木」のほうが強く、「土」をやっつける(剋する)関係にあるので、基本的には自分の頭で考えた「~すべき」という考えに従ってしまうことが考えられます。ここで重要なのが、あえて意識を「土」に向けることです。「「~すべき」だと思うが「感覚」はこっちなのよ~」と自分の感覚を認め、そちらに向かっていくことです。そうすれば、より魂が進化する方向に向かっていく、つまりよりよい方向に進んでいくことができるのです。
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