なにか行動したいと思ったとき、最初の一歩がいちばん重たいと感じます。はじめようとする、まさにそのときが、最もたいへんなのです。でも、そこさえ乗り越えることができれば、あとは流れに乗っていくことができるはずです。
最初の一歩が重たいと感じてしまうのは、無意識の「現状維持機能」がはたらいているから。わたしたちの無意識は、どんなことがあっても「現状維持」しようとはたらいています。だから、寝ているときも心臓は動いているし、気分があがらないときでもお腹は空くんです。意識しなくても呼吸はし続けているし、いつもの時間になると眠たくなります。無意識はいつも「現状維持」にはたらくので、そのリズムが崩れてしまうと、元のリズムに修正しようとするわけです。そのため、最初の一歩を踏み出して、新しいことをはじめることは、とても億劫に感じてしまうのです。
ですから、なにかを自分のなかに取り入れるためには、無意識を味方につける必要があります。そのために、少しずつ、やることを増やしていくのです。例えば、最初はページをめくるだけ。次の日に、一応目を通してみる。そして、また次の日に、ちゃんと読む、というように。
新しいことをはじめるのは、無意識に気づかれないうちにやることです。無意識は「現状維持」しようとしますが、でも、成長は好きなのです。ですから、気づかれないうちに、少しずつできるようになったことは快感になります。そうすることで、成長するから、さらに成長したくなっていきます。
『The Witching Hour Oracle』 by Cherie Gerhardt
陰陽五行による解説
「現状維持機能」は、陰陽五行では「土」の引力として説明されます。「土」は「引力」が強く引き寄せられてしまうので、なかなか抜け出すのが難しいものです。そのために、少しずつバレないように「変化」させ、「本来の自分」に近づいていくので、これは「土」から「水」の相剋ルートにあたります。「本来の自分」になっていくことを「無意識」は、求めているはずだから、それは楽しいのです。

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